奄美大島のインバウンド戦略を考える

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9月2〜4日に、2泊3日で家族で奄美大島に行ってきました。昨年バニラエアが片道僅か5,690円というプロモーション価格で就航して以来、(人気がなくて運航休止になる前に)一度は行かねばと思っていたのが、ようやく実現しました。ただ、乗ってみると平日にも関わらず満席で、人気のため値上げはあるかもしれませんが、運航休止になることは当面なさそうです。

 

奄美大島についてまず感じたのが、美しい白砂ビーチに広大なジャングル、日本で2ヶ所しかないマングローブの原生林等、豊富な観光資源がありながら観光開発がほぼ手つかずの状態にあるといういことです。TripAdvisorやブログなど拝見する限り島一番のリゾートホテルに宿泊したのですが、いわゆるプチリゾートという佇まいで、申し訳ないけれどもしも外資系高級リゾートホテルや流行りの星のや系リゾートが立ち並ぶ沖縄にあったら名もない中級プチホテルの一つなんだろうなという感じは否めませんでした。いや、逆にそれが非常に居心地よかったのですが。ホテルの目の前には綺麗な白砂ビーチが広がっていますが、海の家などがないどころが基本人がおらず貸切状態。外海には面しておらず、湾の中のさらに湾というポイントだったので、波も非常に穏やかで、2歳の子連れにはちょうどよかったです。地元の人もよく訪れるという併設のレストランは、結局滞在中は毎食通ってしまうほどでした。

 

さて、エアバニラの就航は、それまで独占状態だったJALとの食い合いというよりは、旅行者に奄美大島という新しい選択肢を与えたように思います。(JALには搭乗していないので、ひょっとするとそちらは閑古鳥だったのかも知れませんが……)ただ、現地で観光産業に携わる人たちにヒアリングした感じでは、エアバニラ就航以来、一時はレンタカーが足りなくなるぐらい観光客が増えたそうです。また、島の人にとっても、東京で行われる物産展のようなイベントに気軽に出展できるようになったそうです。以前は行くだけで10万円ぐらいかかるので物産展の利益はほぼ残らず、下手したら赤字になるので、気軽に出展できなかった。さらに、進学や就職で島を出た人たちが、気軽に帰省できるようにもなったようです。これは非常によいLCCの就航事例と言えるかもしれません。もちろんその一方で、観光客が増加したことによる乱開発の危機にこれから奄美大島も晒されることになるのかもしれませんが。

 

これまで奄美大島に行くには、JAL直行便もしくは鹿児島経由(フライトか船)しかなく、費用的にもルート的にも非常にアクセスが悪いイメージがありました。鹿児島県離島の奄美大島ですが、かつて琉球王国の一部だった過去もあり、地理的には実は本土よりも沖縄本島に近かったりします。もし奄美大島のインバウンド戦略を考えるのであれば、那覇=奄美路線にLCCを就航させることが一番だと思います。東京=那覇間はANA、JAL、LCC含めて毎日10便以上のフライトがありますし、沖縄はリピーターも多いです。また、観光地化が進んだ沖縄本島に物足りなさを感じる旅行者は、きっと那覇経由で石垣島や宮古島、常連はさらにその先の離島を目指すことでしょう。奄美へのインバウンドを増やすには、奄美大島をそんな沖縄の離島オプションの一つに入れてあげるのが手っ取り早いように思います。沖縄本島の島内マップや沖縄エリアの離島マップを見ることがあっても、沖縄=奄美=鹿児島の位置関係がわかる地図や地球儀を改めて見る機会はほとんどありません。観光客にとって、沖縄=奄美間の心理的距離は実態よりも遥かに遠いような気がします。

 

逆になぜこれまで沖縄=奄美ルートがほとんどなかったのかとても疑問です。完全に推測ですが、沖縄=奄美間の関係はあまりよくないのではないかと思います。奄美の人に沖縄の話をしても、ほとんど知らないし興味もない、というケースが多かったです。現在、沖縄北部と奄美大島が自然世界遺産登録を目指していると聞きました。もし世界遺産入りが叶えば、否が応でも沖縄=奄美間の行き来はいまより活発になるのかもしれません。
2015-09-05 | Posted in BlogNo Comments » 

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